新型コロナウィルスのワクチンの開発が始まった
というニュースがありました
なんと、大腸菌を使うんです
大腸菌って O157みたいな悪玉菌のイメージしかなかったのですが
実はとっても役に立つ菌だったんですね
どうやって使うかというと
大腸菌には、細胞の核とは別に 遊離しているDNAがあるんです
「プラスミド」って言いますが
その「プラスミド」の 環状のDNAの一部を切り取って
そこに コロナウィルス特有のたんぱく質の配列を埋め込んでから
増殖させて ワクチンにするのです
これって、「味の素」と同じ技術なんです
以前、「味の素」=グルタミン酸ナトリウムは、
たんぱく質を分解する形で作っていたのですが、
遺伝子組み換え技術が広まってからは
大腸菌を使って大量生産するようになっています
とっても安価にできるようになったとか・・
その技術は いま、いろいろな食品に使われていて
レンネットの代わりとして使われるキモシン
増粘多糖類として知られるキサンタンガム、ジェランガム
みんな 大腸菌が作っているんですよー
さて
新型コロナの予防には、納豆が効くという情報もあって
いま、納豆が 飛ぶように売れています
これは3日ぶりに手に入れた納豆ですが
原材料名を見ると 遺伝子組み換え食品にも3種類あるということがわかります
まずは、形のままの植物です。
日本では大豆、トウモロコシ、菜種、綿などをそのまま使うときは
遺伝子組み換えかどうかの表示が義務付けられています(混入5%未満ならOK)
この場合の「丸大豆(アメリカ又はカナダ)(遺伝子組換えでない)」ですね
一見、日本には遺伝子組み換え食品の大豆など入ってきていない
ように思えますが 加工用のものには 表示義務がないのです。なので
たれの たんぱく加水分解物や液糖、しょうゆ、アルコールなどには、まず
遺伝子組み換えの小麦、大豆、トウモロコシが使われています
三つめは 調味料(アミノ酸)等や、ビタミンB1、増粘多糖類などで
先に述べた通り 遺伝子組み換え技術を使って
大腸菌から作られているものです
この三番目については もとの大腸菌はすりつぶされて
必要な生成物だけを抽出する形なので
遺伝子組み換え食品 と言うと語弊があるかもしれません
今回のコロナのワクチンもそうですけど
1970年代から研究が加速化した遺伝子組み換え技術は
1980年代にインスリンの大量生産に成功するなど
私たちの身の回りにも大きな変化をもたらしています。
技術は良くも悪くも使えるわけで
問題は この技術を悪用する人たちがいるってことなんですね
そのへんは 明日書くことにして
今回は この本のお世話になりました
『遺伝子組み換え食品入門 増補改訂版』天笠啓祐 緑風出版2016
なかなか理解できない所もあったので
もしかすると とんちんかんなことを書いているかも・・