高濃度の有害物質が検出された という記事が掲載されました
有機フッソ化合物、PFOSとPFOAです。
これらの物質は、飛行機火災の際に使用する泡消火剤に含まれており
横田基地で漏洩したのではないか という指摘から調査したものです
同じ日の3面には、沖縄でも これらの物質が検出されているという
補足記事が載っていました
二日後の1月8日、
でも、東京都が調べたのは昨年の5月です。
国分寺の東恋ヶ窪と、府中の武蔵台、それに国立の中浄水場からの
取水を止めたのは昨年の6月ですから、記事になるまで半年もたっているんですね
この記事を読んだときは 「へえ~」というかんじで
あまり深く考えなかったのですが
いま、厚労省が この4月に向けて 「水質基準」を改正する法案を出していて
その中で PFOSとPFOAについても暫定基準を設けるとありました
水道水におけるPFOSとPFOAの基準は いままでなかったんです。
なので、都の取水制限も法的な根拠はなく、あくまで自主規制だったんですね
国の暫定基準は 50ナノグラム/ℓです。
国立の中浄水場で検出されたのは、38ナノグラム/ℓなので、
この改正案が通ると
4月以後は 飲料水として使用可能ということになりますが
東京都は どうするでしょう
PFOSというのは、ペルフルオロオクタンスルホン酸という物質で
3M社が開発したものです
なんでも、タイヤの新製品を研究している時
ある液体をこぼしてしまい、それがかかった靴の部分が
ちっとも汚れなかったことから製品化にこぎつけたそうです。
でも、その後の研究で発がん性や発育障害、内分泌異常 肝機能障害
他さまざまな悪影響を与えることがわかり、
自然界の動物に高濃度での蓄積も見られたことから
3M社は2002年に製造を中止しています。
各国で規制が進み 日本でも 2010年に完全規制されています
問題は このPFOSという物質、自然界では分解しないのです。
つまり いままで自然界に放出されたPFOSは、減ることは無く
ずーーと残っていて、食物連鎖の中でどんどん濃縮されていくんですね
PFOS等の過フッ素化合物が どんなものに使われていた(る)かというと
泡消火剤だけではなく、防水スプレー(スコッチガード)や スキーのワックス、
紙コップや紙皿のコーティング、ゴアテックスやステインマスター・・
それにテフロン加工品や、いろいろな工業製品を作る時の溶剤など
さまざまなものに使われていました。
いま、アメリカ人の95%以上の体内から検出されるという報告がありますが
日本でも 2002年以前にスキーに行っていた人は
知らずにスコッチガードやスキーワックスを使っていたので
私の家族も含めてみんな PFOSは体内にあります。きっと。
さて、このPFOSやPFOAという物質は、いま ほとんどの
水道水に含まれているらしいです
なので厚労省の 今回の水質基準改定は
現実を追認したものです
でも、この改定表の中で 農薬がこんなにあるのには
びっくりしてしまいました
いま、日本の水道水には 農薬も こんなに入り込んでいるんですね