志賀昆虫普及社

コロナウィルスが どんどん大変な事態になっています

 

この週末は 雪のせいもあって

東京駅の利用者はふだんの18パーセント、

渋谷駅は、比較的多く26パーセントだったというニュースが流れていました。

テレビの映像は、閑散とした渋谷のスクランブル交差点と、

他の駅から渋谷に集まってきた 

客待ちタクシーの500メートルの列を映しています。

 

最近、ふだんの天気予報の番組でも よく

渋谷のスクランブル交差点の映像が流れているので

この場所は、東京の顔のひとつになっているんですね

 

でも、50年以上前には スクランブル交差点などなく

渋谷と言えば、ハチ公と五島のプラネタリウムのイメージでした

 

私にとって 渋谷は 

幼い頃に連れて行かれたデパートで食べたプリンアラモード

迷子になって 放送してもらいにサービスカウンターに行った時に

対応してくれたおねえさんのイメージが強く

 

昆虫少年になってからは 渋谷と言えば

志賀昆虫の渋谷 というかんじになりました

 

渋谷の宮益坂にあった 志賀昆虫普及社は、

当時、日本の昆虫用品の中心だった店で

採集家のみならず 昆虫少年には あこがれの聖地だったのです

 

京王線を乗り継いで渋谷に降り立つと、

ハチ公や道玄坂には見向きもせず

ひたすら 宮益坂通いをして

捕虫網をはじめ展翅版、展足板、展翅テープ各種、三角ケース、三角紙各種

昆虫針、採集管、標本箱などを買い求めました

 

これは 実家にある標本箱で

兄とお小遣いを出し合って買い足していったものです

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左側は桐の国産品。右の黒いものはドイツ式で、

数は4つくらいあったと思います。

この標本箱を抱えて 家まで帰るときの高揚感はいまでも覚えています

兄が亡くなった後、ドイツ式はこの一つしか残っていなかったので

たぶん 兄が一番いい標本を集めて 小学校に寄贈したんですね

 

これは 55-53年前の国立、国分寺で採集した蝶です

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55年間、色もほとんど変わらず

きちんと保存されているのが すごいです

 

この志賀昆虫普及社ですが 宮益坂の!と紹介しようとしたら

いつのまにか品川区に転居していました

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五反田の奥の方にあって、いまは こんなお店みたいです

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オンラインで買えるようになっているので

昔みたいな志賀昆虫詣では もうないのかもしれませんね

 

で、今日 書こうと思ったのは 実はこの本についてなんです

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『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎 光文社 2017

 

渋谷=志賀昆虫=バッタという短絡な連想からですが

 

いま、ケニアソマリアなどの東アフリカや

アラビア、インド・パキスタンの国境付近まで

サバクトビバッタが 大繁殖していて 

このままだと1000万単位の人が 飢えてしまう危機が迫っているのだそうです

 

コロナ危機の影で ほとんど報道されていませんけど

 

(ネットでは、ヒマラヤを超えて中国に入り日本にまで来るんじゃ・・という声と、

この時期にヒマラヤを超えてくることはありえないとする専門家の意見など

それなりに話題になっています)

 

WHOの試算によると、いまケニアにいる2000億匹の群れは

このまま増殖すると 6月には500倍

100兆匹の群れになるらしいです。

他の場所の群れも同じように増えたら 世界中で天文学的なバッタが

天文学的な量の植物を食べてしまうのでしょうね