澤田瞳子さんの「星落ちて、なお」を読みました。
文藝春秋 2021
江戸時代の末期から明治の初めにかけて活躍した河鍋暁斎の、
娘、とよ(河鍋暁翠)に光を当てた小説です。
明治期の美術界をめぐる激変の雰囲気も伝わってきますし
浮世絵の流れなどを ちゃんと勉強してみたいな
と思わせる本でした。
作中に出てくる、
美人画では北歳以上と言われるほどの腕前だったそうです。
単独の作品は10点ほどしか残っていないらしく
光と影を巧みに使った「吉原格子先之図」などは
通り一遍に把握していた浮世絵のイメージを大きくはみ出し
江戸末期の浮世絵師の 西洋美術に対する息遣いすら感じられます。
この「吉原格子先之図」を持っている「太田記念美術館」では
河鍋暁斎の作品もたくさん持っていて、
先月まで展示をしていたみたいです。
見に行きたいなと思ったら いまは 恋バナですって。
調べたら 埼玉の蕨市に「河鍋暁斎記念美術館」というのがありました
暁斎のひ孫の方が立ち上げた個人美術館みたいです
ここもいつか 行ってみたいですね。