モンサントという会社がありました
ありました・・ というのは
2018年に ドイツのバイエル社が
7兆円を超える大型買収で、モンサントを吸収したからです。
このモンサントは
世界最悪の企業とも言われていた会社で
平気でうそをつき、事実をねじまげる才にたけた?会社だったみたいです
1901年にセントルイスで起業して以来
さまざまな化学物質を世に送り出し
自然界には存在しなかったものを
地球上にばらまいてきました
最初の製品は 人口甘味料のサッカリンです
一時期規制されていたのですが、いまは復活しています。
1920年代にはPCBを作り始め 1970年代に禁止となるまで
50年以上にわたってPCBを製造しました。
このPCBによる健康被害について モンサントは一切の責任を認めていません
戦後にはDDTを生産し
レイチェル・カーソンの『沈黙の春』にも取り上げられました
モンサントは カーソンの評判を落とそうと
さまざまな活動をしています
1960年代には ベトナム戦争で有名になった枯葉剤を作りました
米軍兵士やその子供にも健康被害をもたらすのですが
モンサントは これも責任を認めていません
それと合わせて ラウンドアップに耐性を持つ作物の開発が進められました
ヨーロッパは かなり規制の方向なのですけど
アメリカではFAO、アメリカ食品医薬品局の局長に
モンサントの関係者がつくなど 政府との癒着が進んでいて
なぜか次々にモンサント社の望む方向で承認されていくのです
で、もちろん アメリカ政府に頭の上がらない日本は
いま、どんどん 緩和の方向に進んでいます
現在、種子メジャーとなっている
バイエル、デュポン、シンジェンタなど
わずかた数社の ”遺伝子組み換え企業”に すでに
世界の種・化学肥料・農薬などの60~80%が
握られているという話もあります
いま、遺伝子情報は宝の山なんですね
どこよりもいち早く ゲノム解析をして
そのための障壁は どんどん撤廃しないといけません
そこで 交渉されているのがTPPで、
非関税障壁撤廃への圧力なのです
日本の障壁のひとつが 「種苗法」
今国会で コロナの陰に隠れて
種苗法改定 自家増殖(採種)禁止法案
が審議されています。
一昔前だったら 農協の反対で
審議なんか絶対できなかった気がするのですが
大きな反対がないのを見ると
日本の農業のあり方自体が ここで
大きく変わっていく時期なのかもしれません
というか、人類の「食」のあり方自体が
超メジャーの多国籍企業に 支配されていく一場面に
いま立ち会っているんですね・・
参考資料
『モンサントの嘘』 ブレット・ウィルコックス 船瀬俊介訳 成甲書房 2015
『モンサント―世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』マリー=モニク・ロバン, 戸田 清他訳 作品社
『日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム』三橋貴明 彩図社 2018
『タネが危ない』野口勲 日本経済新聞出版社 2011
『遺伝子組み換え食品入門』天笠啓祐 緑風出版 2016