柿渋と ちりめん本

カフェに行く道の途中には あちこちに柿の木があって

たくさん実がなっています

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三ツ藤住宅の カフェの周りのお宅でも

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柿がいっぱい赤くなっていて

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どうするのかな と 他人事ながら心配してしまいます。

 

 

何軒かのお宅では 軒先に干し柿が吊るされていたので

これらの柿は もしかすると みんな渋柿なのかもしれませんね

 

 

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江戸時代は 渋柿を夏のうちにとって 柿渋を作ることが

暮らしの知恵だったみたいです

 

柿渋液は いろいろなことに使われて

武士の内職 笠はりにも使われたとか・・

 

 

その柿渋液を染み込ませた和紙を重ねた型紙を使って

 

明治の時代 「ちりめん本」という 芸術性の高い絵本が生まれました

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企画したのは 長谷川武次郎という人です

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川端玉章や小林永濯ほか 著名な絵師が絵を描き

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文章は ラフカディオ・ハーンや ヘボンチェンバレンなどが

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英語・フランス語・ドイツ語などに訳しています

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10年ちょっと前に 「紙の博物館」で

印刷された浮世絵を ちりめんに加工する実演をやっていたのですが

 

そのとき 実演されていた方が

「いま使っている この柿渋紙が ここにある最後の一枚です、

もしかすると 今の日本で最後の一枚かも・・」 

「これが破けたら もう実演はできません。」

と おっしゃっていました

 

柿渋紙の型紙は、もう日本で 誰も作っている人がいないとか・・

 

当時の 印刷用のインクの原料を含め

この「ちりめん本」を 完全に再現する技術も

いまでは、失われてしまった と言われています

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「ちりめん本」は、もともと海外向けに 作られたものなので

いま日本で売買されているものは 

ほとんど 海外からの逆輸入品です

 

多摩地域では 福生市が100点くらい集めています

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開館する時に 購入したとのことですが

当時は いまより ずっと安かったそうで

 

「今は 出物があっても 年にちょっとずつしか買えません・・」

と おっしゃっていました

 

 

でも、100点持っているだけでも すごいですよね