芋づる的な本の話

いま借りている本の返却期限が来ていたので、

畑に行く途中 返してきました。

そのうちの一冊、『おおきなトラとシカのはんぶんくん』は

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バーニス・フランケル作 レナード・ワイスガード絵 こみやゆう訳 好学社 2021.11

もともとの本の出版が、1961年です

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日本で出版されたのは去年ですから

それはつまり、日本人にとって

この作品は60年間存在していなかったってことですね。

 

同じ1961年に出版されたトンケ・ドラフトの

『ふたごの兄弟の物語』が 日本で出版されたのも

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西村由美訳 岩波少年文庫

だいぶ遅くて、2008年12月のことです。

こちらも47年のブランクです。

トンケ・ドラフトについては、1962年に書いた

『王への手紙』が、先に2005年に出版されていて

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西村由美訳 岩波少年文庫

これを読んだとき、子どもの時に読みたかったなー

と思ってしまいました。

きっと、いまだに翻訳されていない面白い本は

世界中にいっぱいあるんでしょうね。

 

ちなみにオランダ人のトンケ・ドラフトは

1930年オランダ領東インドバタヴィアジャカルタ)生まれで、

第二次大戦中の3年間を 日本軍の収容所で過ごしています。

そんな経験にもかかわらず、明るく、明日への希望に満ちた

古典的な児童文学の王道のような物語を書かれている

すごい人なのです。

 

で、『おおきなトラとシカのはんぶんくん』の原題は

HALF AS BIG AND THE TIGER』です。

主人公の3番目のシカの名前がHALF AS BIGなのですが

これだけだと、あまりに表題がそっけないので

小宮由さんが説明を補ったんですね。

 

外国の作品は 翻訳者によって だいぶ印象が変わります。

バーネットの『小公女』は たくさんの方が翻訳されていて、

ちょっと調べただけでも

村岡花子伊藤整曽野綾子、立原えりか、吉田勝江、谷村まち子、

片岡しのぶ、脇明子川端康成などが訳しています。

そのどれもが気に入らなかった高楼 方子さんは 

ご自分で翻訳することにしてしまいました。

で、福音館から2011年に出版されたものがこちらです。

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最近読んだ本の中で気になったのが この本です

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『クリスマスピッグ』J.K.ローリング著 松岡佑子訳 静山社 2021

主人公が入り込んでしまう、失われしものの国の支配者LOSERを

ただ「失」と訳しているんですね。

なんとなく違和感があって、頭の中で「失=うしなわれしもの」

と変換しながら読みましたけど、ハリーポッターも含めて

この訳者とは 相性がよくないのかなと思います。

ハリーポッターは 訳されるのを待てずに原書を買って読んだので

日本語版はほとんど見ていないのですが

最初の頃、辞書を引いても、よく分からない所がいっぱいあったので

日本語版が出た時にチェックしてみました。

すると、わからないなりに作り上げたハリーポッターの世界が

全く雰囲気が違うんです。

なんか 面白かった世界が いきなり崩れるかんじでした。

翻訳って、文章の端々に

訳者の世界観、価値観や性格が反映されるので

たぶん そのへんが合わないんですね

なので ハリーポッターは自己流に解釈した世界のままです。

 

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今日の畑で ヨトウムシを3匹見つけたので

さっそくセキレイにあげることにしました。

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左は私の影です。

呼んだら だいぶ近づいてきたので

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手前に虫を投げました。1メートルくらい先です

セキレイはととととと とやってきて

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虫をくわえ 今日はその場で飲み込みました。だいぶ慣れたみたい。

3匹食べて、もっとないかと待っています。

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もう一羽も むこうから近寄ってきましたが

残念 もう虫はありません。

明日の畑作業は まず虫探しでしょうか